会社法では役員の人数に決まりはありませんので、取締役が一人いればOKです。この記事では、会社設立時によくあるパターンの役員構成をご紹介します。

役員1人で起業する場合

あなたが取締役であり、唯一の役員です。ただし株式の譲渡制限があります。

役員2人で起業する場合

2人とも役員にする場合は、取締役が2人になり、いずれかを代表取締役として決める必要があります。ここでも同様に株式の譲渡制限があります。

役員3人以上で起業する場合

役員3人以上の場合は大きく2つの選択肢があります。取締役会を設置するかどうか、という事です。取締役会を設置する場合、株式譲渡制限が外れる一方で、取締役とは別に監査役または会計参与の設置が必要になります。

なお、取締役会を設置せずに株式譲渡制限を付けたままにする場合は監査役は必要ありません。

パターン

取締役取締役会監査役会計参与株式譲渡制限

A

   

B

  

C

  

D

 

E

 

F 

G

  • :必須 ▲:任意

取締役会は設置した方が良い?

メリットデメリットを考えて決めましょう。

取締役会

メリット

デメリット

非設置・取締役1人で経営ができるため、機動力に優れている

・株主総会の手続きが簡単

・企業の信用力が低く見られる可能性がある

・ワンマン経営になりやすい

設置・監査役や会計参与の設置により、適正な経営が行われているかをチェックできる体制になる

・ワンマン経営になりにくい

・複数の役員分のコストがかかる

・会計参与は専門家であるため、高い報酬が必要となる

監査役とは?

会社の会計や業務を監査する役割があります。特に税理士や会計士である必要はありません。

会計参与とは?

簡単に言えば財務のアドバイザーです。取締役と共同で計算書類を作成し、株主総会で計算書類の説明をします。就任できるのは税理士か公認会計士だけです。

株式譲渡制限とは?

全ての自社株式の売買に取締役会や株主総会の決議、代表取締役の承認が必要であることを定款で定めている企業を株式譲渡制限会社(非公開会社)といいます。基本的には中小企業を守るための制度であり、全く知らない第三者に株式が渡ることにより会社の経営権が不安定になってしまうことを防ぐ、という目的があります。株式譲渡制限会社は取締役一人でも株式会社の設立が可能であり、また役員の任期を最大10年まで延長できます。

取締役の任期とは?

原則として取締役の任期は2年(選任後2年以内に終了する最後の決算にかかる株主総会まで)です。非公開会社は、取締役も監査役も、最大で10年まで伸ばすことができます。任期終了後は再度、株主総会を開き、再び指名することも可能です(役員の重任)。役員を変更したり、重任する場合は、登記申請をするため、法務局で手続きが必要です。

取締役の責任とは?

企業が不祥事を起こしたり、社会的に罰せられる場合、取締役が責任を取るケースがあります。例えば、企業の犯罪により役員が逮捕されるニュースを目にしたことがあると思います。取締役というのはそれほどの責任があるという事を認識しておくべきでしょう。