決算期(事業年度)はどのように決めればいいのでしょうか。決算に伴い様々な作業が発生するため、以下のポイントに気を付けて決算期を決めましょう。

決算期を決めるポイント

  • 業務の繁忙期は避ける(できれば閑散期が良い)
  • できれば2月、3月は避ける
  • 設立日に気をつける

決算期は何月にすればいい?

大前提として、最適な決算期は企業によって異なります
なぜなら、決算に伴い、決算関連の業務が発生し、本業を圧迫する恐れがあるからです。決算の締めなので、経費の精算や諸々の残高確認が必要になりますし、原則として事業年度終了から2カ月以内に法人税や消費税の税務申告をする必要があります。
したがって、年間の中で比較的余裕がある時期に決算期を持ってくるのが良いでしょう。

閑散期を考えたうえで、いくつか選択肢があるのなら、2月、3月は避けた方が良いでしょう。
2月、3月を決算期にすると、税務申告の時期が4月~5月となり、税理士の繁忙期になります。この時期の申告は報酬が他の決算期の法人よりも高い可能性があります。

<各企業の決算期分布>

決算期

法人数

4月

199,743

5月

234,558

6月

277,479

7月

216,972

8月

248,877

9月

308,972

10月

143,233

11月

109,889

12月

297,963

1月

105,108

2月

189,126

3月

515,359

2,847,279

(国税庁令和3年度法人税業務統計)

設立日で気を付けることは?

最後のポイントは設立日です。

例えば、設立日が2月末で、決算日を3月末にしてしまうと、設立後1カ月で決算期が来てしまいます。これは余計な事務負担を早期に迎えてしまうとともに、消費税の免税判定でも不利になります(インボイス事業者の場合はそれほど影響ありませんが)。

その他のQ&A

Q:なぜ3月決算の企業が多いの?

従来から公的機関の会計年度が4月-3月というサイクルで区切られていました。公的機関との取引が多い企業は、事業年度を合わせた方がスムーズに処理ができるため、3月決算が多くなりました。その余波で、取引先に合わせて3月決算の企業が広まっていったと言われています。
また、グローバル企業で12月決算が多いのは、米中では多くの企業が12月決算(中国では法令で定められている)であり、海外子会社との平仄を揃えるという意味で12月決算にしている企業が多いと考えらえれます。

Q:月末にした方が良いの?

特に理由がなければ月末にした方がいいでしょう。事務的な管理が楽だからです。

Q:設立した後に決算期は変更できるの?

できます。大きな企業でも様々な理由で決算期を変更するケースがあります。

Q:定款には記載するの?

事業年度は定款の絶対的記載事項ではありませんが、税務署に対して決算期を証明するために必要となるため、定款に記載するのが通常です。