はじめに
グローブ税理士事務所はシード・アーリー期のスタートアップの事業加速を支援するプロフェッショナルファームです。この分野に絞った税理士事務所、税理士法人はそれほど存在しません。
なぜスタートアップの事業加速を特徴とした税理士事務所にしたのか?まずは創業までの経緯をお話ししていきたいと思います。
創業までの経緯
創業者である事務所代表茅根は、創業より10年ほど前から税理士として独立することを決めていました。しかし、その当時は、どんな税理士になるか、という具体的なイメージは持っておりませんでした。
国税局で仕事をするさなか、ふと、自分の生活を考えてみると、使っている製品やサービスがほとんど米国のものであるということに気づきました。スマホはAppleのiPhone、買い物はAmazon、メールはGoogleのGmailを使い、仕事ではMicrosoftのWindows、Officeを利用、余暇はYoutubeとNetflixを見る…こんな状況に危機感を覚えました。
この状況は企業の世界時価総額ランキングにも如実に表れていました。1989年には世界時価総額TOP50のうち、日本企業は32社もランクインしていたにもかかわらず、2019年にはトヨタ自動車1社のみ(43位)になっていました。
(引用:STARTUP DB「平成最後の時価総額ランキング。日本と世界その差を生んだ30年とは?」)
そして、日米の時価総額ランキングを比較すると、米国では1990年代以降のスタートアップが台頭している一方で、日本ではメガスタートアップが出現せず、老舗の大企業が時価総額上位にランクインしていました。比較的新しいソフトバンクでも創業1981年です。
つまり、この30年間において、日本ではスタートアップが育たなかったということがわかりました。
米国シリコンバレーのスタートアップエコシステム
米国ではなぜこれほどまでにスタートアップが躍進できたのか。有名な話ですが、米国カリフォルニア州にシリコンバレーというヒトモノカネが集積する地域があり、そこでスタートアップが成長するためのエコシステムが機能していることが大きな要因の一つです。シリコンバレーから生まれ世界に羽ばたいたスタートアップは枚挙に遑がありません。
私はこのスタートアップエコシステムについて研究するため(これは入学理由のひとつですが)、一橋大学院のMBAに入学しました。
アクセラレーターの存在
MBAに入学後は今まで独学で学んできた経営理論を体系的に学び直し、実践レベルまで引き上げるとともに、当初から考えていたスタートアップエコシステムの研究をブレずに進めました。
シリコンバレーのエコシステムは非常によく出来ています。スタンフォード大学を中心として良質な起業家が集まり、それをエンジェルやVCが資金面から支援、さらに弁護士や会計士が専門分野をサポートし、スタートアップは成長していきます。大きく成長する企業が量産されるので、VCもどんどん資金を投入できます。成長したスタートアップがEXITし、富を手にした起業家は、その資金を元手に再度スタートアップを起こしたり、後発のスタートアップにエンジェルとして資本参加し、成長のノウハウを伝えていきます。
これぞエコシステムだ、という印象を受けました。起業から成長までのルートが整備され、さらにEXITの後もこのエコシステムに貢献し続けるサイクルは、さらなる成長を生み出します。
そして私はこのエコシステムの中で、支援アクターに属するアクセラレーターという存在に着目しました。アクセラレーターは大きくカテゴライズすればVCの一種なのですが、シード期のスタートアップに対して少額の投資と成長プログラムを提供する組織です。最も有名なのはYcombinatorで、これまでにAirbnb、Dropbox、Stripe、Redditなどのメガスタートアップを生み出してきました。
シード期のスタートアップは圧倒的にリソースが不足しています。そして、どうやって進めばいいのか、どの方向に進めばいいのかもわかりません。そんな時期のスタートアップに進むべき道を示すとともに、事業成長加速を支援するアクセラレーターという存在は、このスタートアップエコシステムの中でも非常に重要なポジションであると感じました。そして、私自身もそのような形でスタートアップの事業成長に貢献したいと考えました。
まとめ
グローブ税理士事務所はまだ規模的にそれほど大きくないため、パッケージでの成長プログラムは提供しておらず、個別の企業ごとに適切な支援を実施しています。実際に、プレシードから関与し、大きな資金調達に成功し、ユニコーンへ向かって成長しているスタートアップも出ています。
浜辺に停まった状態の手漕ぎボートは、押して海に乗り出すまでに大きな押す力が必要です。グローブ税理士事務所は、このボートを一緒に押していきたいと考えています。海に乗り出した後は、船の進む方向を考えたり、船内の環境整備をしながら共に航海をします。
我々の想いは、日本から大きく羽ばたくスタートアップが生まれ、新たな価値を創造し、社会課題を解決し、多くの人の生活がより良くなり、生き生きと働けるような社会を作っていきたいというものです。そして、その想いを実現するために、シード・アーリー期のスタートアップを支援しています。