税務調査で指摘された内容が、以前の税務調査では指摘されなかった内容であることはよくあることです。この場合にはどのように対応すべきなのか?結論としては、「前はOKだったじゃないか!」と反論するのはやめた方がいいです。というか、意味がありません。

税務調査は限られた時間内で数年間の会社の取引を見るため、すべての取引を入念にチェックできるわけではありません。したがって、調査官はすべての論点を網羅できるわけではないのです。加えて、調査官の知識やスキルにも大きな幅があります。短い時間で多くの疑義を見つけられる優秀な調査官もいれば、どれほど時間をかけても何も見つけられない調査官もいるわけです。

したがって、前回の調査では見つからなかった税務上の問題点が、今回の調査で見つかることはよくあるわけです。

ここで、「前回はOKだったじゃないか」と反論をするとどうなるかというと、「じゃあ、前回の分も修正申告の対象にしましょうか?」となるわけです。過少申告の場合は過去5年、不正の場合は過去7年間が修正申告の対象になります。

修正申告に応じるかどうかは、前回調査の結果を考慮せずに、今回の調査で発見された事実や経緯、背景などをベースとして、法律に照らし合わせて検討すべきでしょう。